赤ちゃんの腸重積とは?原因、症状、治療法や経験談

赤ちゃんの腸重積とは?原因、症状、治療法や経験談

 

皆さん、「腸重積」という病気をご存知ですか。
腸重積というのは、赤ちゃんから大人まで
年齢に関係なく発症する腸の病気です。
腸の病気はいくつもありますが、
腸重積はあまり聞きなれない病気かと思います。

 

この病気は特に赤ちゃんや子供に多く、
進行すると重篤になる場合があります。
そこで腸重積の原因や症状、治療法などを
ご紹介します。

腸重積の原因と症状

 

腸重積は、その名の通り腸の中に
腸が入り込むようにして重なる病気です。
そのまま放置すると腸が三重にも重なり、
腸組織が壊死する場合があります。

 

腸重積の症状の一つである血便が見られた時には、
すでに進行していることが多く、
この場合は開腹手術が必要になります。

 

特に赤ちゃんや子供が発症しやすく、
腸重積患者の8割が0歳児〜2歳児と言われています。
腸重積の原因は明らかではありませんが、
考えられるものとしていくつか報告があります。

 

 

主な原因

 

・腸の痙攣
・悪性リンパ腫
・大腸菌などの胃腸炎
(原因は特定されていないが考えられるもの)

 

 

主な症状

 

・腹痛の場合
元気がない、常にお腹が痛いわけではないが痛みは繰り返す、突然泣き出す
足を「く」の字にして痛みを訴える

 

・血便の場合  
進行すると血便が出る、色は真っ赤

 

・吐き気 嘔吐の場合 
顔面蒼白、嘔吐を繰り返す、脱水症状

 

 

※子供が嘔吐を繰り返した場合は
脱水症状に気を付けなければいけません。
こまめに水分補給をして対処しましょう。

 

 

腸重積の診断と治療法

 

腸重積の診断は、触診、超音波検査、
レントゲン検査を用いることが多いようです。
主な治療法は、高圧浣腸と手術の2つですが、
発症から24時間以内に行う高圧浣腸では、
肛門からチューブを入れ水圧をかけることにより、
本来の正常な腸に戻すことができます。

 

こちらは体が小さい赤ちゃんの負担を
最小限に抑えた最適な治療法といえます。
また、発症から24時間以上経過している
場合や症状により開腹手術を施します。
術後の再発率は約10%で、
中には2〜3回繰り返す人もいます。
再発の場合に用いられる治療法は、
状態にもよりますが主に高圧浣腸が多いようです。

 

腸重積は早期発見、早期治療を開始することで
比較的治りやすい病気とされています。

 

 

腸重積の予防

 

原因不明なことから予防は難しいとされていますが、
赤ちゃんや子供の場合は、
風邪やロタウイルス胃腸炎などの
感染症から発症するケースがほとんどです。

 

昔と違い、感染症を防ぐ医薬品がありますので、
予防接種を受け未然に防ぐことも一つの方法です。
また、子供が泣き止まない元気がない、
不規則に痛がるなど、いつもの様子と違うと
感じた時は迷わず小児科を受診しましょう。

 

 

経験談

 

私が以前勤めていた小規模保育園での出来事です。
低年齢の子供は、「痛い」と言葉にできないことの
方が多く、泣き止まない子や元気がない子は
特に意識して観察します。

 

当時1歳半の男の子は、朝から機嫌が悪く、
検温は問題ないため様子を見ることに。
気持ちが落ち着いたのか楽しそうに遊んでいました。
しかし、子供が喜ぶおやつの時間も、
その男の子は手をつけず元気がないのです。

 

すると突然泣き出し、お腹に手をあてる仕草をしました。
尋常ではない泣き方と回数から異変を感じ保護者様へ連絡。
数時間後、男の子は腸重積とわかり
1週間ほど入院することに。
幸いなことに手術も必要なく治療を
終え完治したケースがあります。

 

 

サインを見逃さない

 

赤ちゃんや低年齢の子どもは、
うまく言葉で表現することができません。
病気に限らず言える事ですが、
子供のサインを見逃さないことです。
いつもと違う子どもの様子をいち早く察知するために、
常にアンテナを張りながら過ごしていきたいですね。

 

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